仕事をしていれば、誰でもミスをすることがある。
新人でも、ベテランでも、どれだけ気をつけていても、間違えてしまう日はある。
もちろん、ミスをそのままにしていいわけではない。
間違えたら直す。
次に同じことをしないように考える。
必要なら、きちんと謝る。
それは大事なことだと思う。
でも職場によっては、ミスそのものよりも、そのあとの言われ方の方がつらいことがある。
「なんでこんなこともできないの」
「前にも言ったよね」
「ちゃんと考えてる?」
そんな言葉が、あとに残ってしまう。
反省する前に、心が縮こまってしまう。
注意ではなく、否定になっている
ミスをしたとき、本当に必要なのは、原因を確認して、次にどう防ぐかを考えることだと思う。
でも、言い方がきつすぎると、そこにたどり着く前に心が折れてしまう。
「また?」
「信じられない」
「なんでこんな簡単なことができないの?」
そう言われると、ミスの内容より、言われた言葉の方が頭に残る。
しかも、人前で言われるとさらにしんどい。
恥ずかしい。
情けない。
周りにも聞かれていたかもしれない。
その場では謝るしかないけれど、あとから何度も思い出してしまう。
ミスを直すための注意ではなく、自分そのものを否定されたように感じてしまう。
その二つは、本当は別のものだ。
直すべきは、ミスのやり方であって、その人自身ではない。
でも、きつい言い方は、その境目をなくしてしまう。
萎縮すると、かえってミスが増える
強く言われた経験が続くと、次第に「ミスをすること」自体が怖くなる。
間違えないように、丁寧にやろうとする。
怒られないように、何度も確認する。
急いで終わらせようとする。
でも、怖さや緊張が強くなるほど、かえって普段ならしないミスが出ることがある。
手元が落ち着かない。
頭が真っ白になる。
確認したはずなのに、抜けてしまう。
そしてまた、同じことが起きる。
責められる。
萎縮する。
またミスをする。
また責められる。
この流れに入ると、なかなか抜け出せなくなる。
本人は「自分がだめだから」と思いがちだ。
でも実際には、追い詰められて萎縮しているだけのこともある。
朝から、体が重くなっていく
こういうことが続くと、仕事そのものが怖くなっていく。
朝、会社に行くのが憂鬱になる。
電話が鳴るだけでビクッとする。
上司が近くに来るだけで、体が固まる。
それは、気持ちの問題だけではないと思う。
また何か言われるかもしれない。
また間違えてしまうかもしれない。
また人前で言われるかもしれない。
そんな不安が、体にも残ってしまう。
ミスをした日だけではなく、次の日も、その次の日も、ずっと緊張が続くことがある。
それだけ追い詰められているのだと思う。
ミスより、「言い方」の方が問題なこともある
ミスをした人を強く責めても、次のミスが防げるとは限らない。
本人はもう分かっている。
反省もしている。
次は気をつけようと思っている。
そこに追い打ちをかけても、落ち着いて考える余裕がなくなるだけのことがある。
それどころか、責める空気が強い職場では、ミスを隠したくなったり、報告するのが怖くなったりする。
そうなると、職場全体にとってもよくないはずだ。
本当に必要なのは、
「なぜ起きたのか」
「どこで確認すれば防げたのか」
「次はどうしたらいいのか」
そこを一緒に整理することだと思う。
ミスをなくしたいなら、責めるより先に、次に防ぐ方法を考える方が大事なのだと思う。
あなた自身がだめなわけではない
ミスをしたとき、自分を責めてしまうのは自然なことだと思う。
ちゃんと確認すればよかった。
もっと早く気づけばよかった。
でも、必要以上に責められ続けると、「自分は仕事ができない人間なんだ」とまで思い込んでしまうことがある。
そこまで背負わなくていい。
ミスは、その人の全部ではない。
その日の体調や忙しさ、説明の分かりにくさ、確認しづらい空気、周りのフォローの少なさ。
いろんなものが重なって起きることもある。
もちろん、反省は必要だ。
でも、言われた言葉を全部そのまま受け取って、自分の価値まで下げなくていい。
ミスをしたことと、あなた自身がだめなことは、同じではない。
ミスをしたら、直せばいい。
次に防ぐ方法を考えればいい。
本当は、それでいいはずだ。
必要以上に責められて苦しくなるのは、あなたが弱いからではない。
言い方がきつすぎる場所では、誰だって萎縮してしまう。
そういう職場では、ミスをなくしたいのではなく、ただ感情をぶつけているだけになっていることもある。
そして、もし毎日がつらくて、朝起きるだけで体が重いなら、それはもう、自分の受け取り方だけでどうにかする話ではないのかもしれない。
ひとりで抱え込まなくていい。
職場の外の人に話してみる。
信頼できる人にこぼしてみる。
必要なら、相談できる窓口を頼ってもいい。
逃げ道を知っておくことは、弱さではない。
ミスをしたときに必要以上に責められるのは、あなたがだめだからではない。
そう思えるだけでも、少し違って見えることがあると思う。
もし毎日がつらくて、ひとりで抱えきれないと感じるなら、無理に我慢しなくていいのかもしれません。相談できる窓口 をまとめています。