たまたま、知ってしまった。
自分より後に入ってきた人の給料が、自分より高いらしい。
聞きたくて聞いたわけじゃない。
ふとした拍子に、耳に入ってしまった。
こういうのって、知らなければよかったのにと思う。
でも、知った瞬間からもう、知らなかった頃には戻れない。
仕事の内容は、たぶん同じです。
量だって、そんなに変わらない。
むしろ、こっちのほうが長くいるぶん、任されていることは多いくらいかもしれない。
なのに、後から入った人のほうが高い。
そのことが、頭の中で何度も同じところを回ります。
なんで、って。
知らなければよかった、でも知ってしまった
給料の話なんて、普通はわざわざ聞かないです。
だからこそ、たまたま知ってしまったときのしんどさがあります。
準備もできていないまま、急に心に入ってきてしまう。
「そうなんだ」で流せるならよかった。
でも、そうはならない。
その瞬間から、今まで見えていた職場の景色が少し変わることがあります。
この仕事量で。
この立場で。
この年数で。
なのに、どうして。
その思いが、じわじわ残ってしまう。
「なんで」が、頭の中を回る
いちばんしんどいのは、答えのない「なんで」が回り続けることかもしれません。
自分より評価されているのかな。
最初の交渉が違ったのかな。
会社の都合なのかな。
たまたまタイミングが違っただけなのかな。
いろいろ考えてみても、本当のところは分からない。
でも、分からないままでも、気持ちだけは引っかかったままです。
「自分のほうが頑張っている」と言い切りたいわけでもない。
相手を責めたいわけでもない。
ただ、納得できない感じだけが消えない。
その「なんで」は、誰にも言えない種類のものだったりします。
誰にも言えないから、余計に消えない
本人に聞けるわけがない。
上司に「あの人はいくらなんですか」なんて言えるはずもない。
家で誰かに話しても、「交渉すればいいじゃん」で終わってしまいそうな気もする。
でも、たぶん、それだけの話でもない。
ただ金額をそろえれば、全部すっきりするかというと、たぶんそうでもない。
そのくらい、この気持ちは単純じゃない。
言えない。
でも消えない。
だから、心の中に残り続ける。
交渉すれば済む話でもない
たしかに、給料のことなら、交渉という方法はあるのかもしれません。
でも、もし言って上がらなかったら、それはそれで苦しい。
こんなに違うのに、それでもだめなんだ、と思ってしまいそうです。
じゃあ、上がればいいかというと、それでもたぶん、別の引っかかりが残る。
こっちから言わないと、上げる気はなかったんだな、って。
ずっと気づいていなかったわけじゃないだろう。
気づいていて、こっちが言うまでそのままだったんだろう。
そんなふうに思ってしまう。
増えた数字を見ても、そこは埋まらない気がします。
お金の話のようでいて
このしんどさは、お金の問題のようでいて、たぶんお金だけではないです。
もちろん、給料の差は現実として痛い。
でも、いちばん残るのは、ちゃんと見られていなかった感じかもしれません。
軽く見られていた、とまで言うと少し強すぎる。
でも、見られてはいなかった。
その感じだけが、ずっと残る。
「自分が積み重ねてきたものは、会社の中でどのくらい見えていたんだろう」
そんなことまで考えてしまう日があります。
答えが出なくてもいい
だから今、答えは出ていない。
出さなくていい、とも思っています。
すぐに交渉するべきか。
我慢するべきか。
転職を考えるべきか。
そういう結論を、急いで出さなくてもいい気がします。
ただ、こういうことでモヤモヤするのは、心が狭いからではない。
そこは、切り分けていいと思います。
後から入った人の給料のほうが高いと知って、頭の中で同じところをぐるぐるしてしまう。
それは、自然なことです。
もし同じことを知ってしまって、同じところを回っている人がいるなら、それだけは伝えたいです。
あなたが心が狭いわけじゃないですよ、と。